ロシアンブルーと言えば、ブルーを帯びたグレー色の毛色、エメラルドグリーンの目の色を持つ神秘的な猫です。その中でもまれにブルーポイントという標準と違う様相の猫がおり人気を博しています。ここではブルーポイントの愛されるポイントをご紹介します。
ロシアンブルーのブルーポイントとは?
ロシアンブルーと言えば誰もが「ビロードのようなブルーっぽいグレーの毛色、エメラルドグリーン色の目!」と言えるくらい特徴的な猫ですが、まれに全く違う毛色、目の色の子が産まれてきます。
全く違う特徴の猫を「ブルーポイント」と呼んでいます。まずはTICA(The International Cat Association)という世界最大の猫の血統登録機関で規定されているロシアンブルーの定義とブルーポイントを比較してみます。
ロシアンブルーのスタンダードって何?
ロシアンブルーの様相は、楔形のような三角形の顔にエメラルドグリーンの目、先のとがった耳に加え、なんといってもビロードのように滑らかなブルーを帯びたグレーの毛並みが特徴的です。
ロシアンブルーのブルーポイントとは?
両親がロシアンブルー同士でも、まれに、「体は白い毛、手足・鼻・耳・尻尾という各ポイントでブルーを帯びたグレーになり、目はブルー」の子が産まれてきます。これがポイントカラーの特徴となります。
「シャムネコでしょ?」と勘違いする人も多いのですが、よく見ると違います。ブルーポイントは個体差がありますが、鼻先・耳・足先等、各ポイントでブルーグレー色になることが多いです。
シャムネコの毛色はチョコレート、ブルー、シール等複数あり、鼻先・耳・足先だけでなく、顔全体や体にも色がついている子もいます。
また、シャムネコは鳴き声が太くよく鳴きますが、ブルーポイントは、「ボイスレスキャット」と言われており、あまり鳴かず声も小さいです。
様相が似ていると言われるのは、戦時中ロシアンブルーが激減した時に、シャムネコを交雑する猫種にして繁殖させていた歴史があります。
ブルーポイントはロシアンブルーとして登録できる?ミスカラーなの?
ロシアンブルーのスタンダードから外れているブルーポイントは、いくら両親がロシアンブルー同士でもロシアンブルーとして血統登録されません。
キャットショーのように、いかに純猫種のスタンダードにより近いかを競う場では、ブルーポイントはスタンダードに沿っていない「ミスカラー」として扱われます。
血統猫は純猫種スタンダードで毛色が規定されており、その色が異なる、または色がつくポイントについていない等、規定から外れる猫は「ミスカラー」と言って、キャットショー等で重大な減点となるか、失格となります。
しかし、これはあくまでキャットショーのように、スタンダードを守らないといけない場での話です。自分が「この子はロシアンブルーで自分が好きで引き取った猫だ」と思うのであれば、それで良いと思います。
ブルーポイントが産まれるメカニズムとは?
では、ブルーグレーの毛並み、エメラルドグリーン色の目をしたロシアンブルー同士からなぜ、ブルーポイントが産まれるのでしょうか。
どうしてブルーポイントが産まれるの?
ブルーポイントが産まれてくること自体は低確率ですが特別ではありません。。ブルーポイントは劣勢遺伝なので、片方の親のみがブルーポイントの遺伝子を持っていたとしてもブルーポイントは産まれてきません。
両親がブルーグレーの毛色、エメラルドグリーン色の目だったとしても、両者がブルーポイントの遺伝子を持っていた場合は、低確率で産まれてきます。
また、ブルーポイント同士のかけ合わせはブルーポイントばかり産まれてくるかといったらそうではありません。スタンダードの毛色・目の色も産まれてきます。
アルビノという説は?
昔ブルーポイントは、「アルビノじゃないか?」と言われたこともありました。しかしアルビノは全身の色素が無い、または少ないことにより、髪・肌が白くなる先天性疾患のためポイントで色がつくことがありません。
ブルーポイントは産まれたばかりの時は真っ白です。徐々にポイントに色がついてくのですが、いつになっても色がつかないのであればアルビノであるかもしれません。
また、アルビノだと目が赤くなることもある一方で、ブルーポイントは各ポイントに色がつくためにアルビノであるということは現在否定されています。
比較するとブルーポイントの特徴から、「ブルーポイントもロシアンブルーです」と言っても、なかなか信じない人が多いでしょうし、毛色・目の色等も規定外なので血統書もつきません。
そのためか、世に出回らないことも多く、ペットショップはもちろん、ブリーダーに聞いてもブルーポイントはいつ産まれるかわからないと言われるのが現状です。
ブルーポイントを探すのも一苦労ですが、アルビノがいるかどうかに至っては、調べる手段もなく不明としか言いようがありません。
ブルーポイントの特徴、性格、成長を解説!
ブルーポイントは、スタンダードのロシアンブルーと様相が違いますが、体格・性格は違うのでしょうか。実は毛色・目の色以外はほぼ違いはありません。ここではブルーポイントの性格や特徴、どのように成長していくかを解説していきます。
特徴
ブルーポイントの特徴は、成長に伴い変化する部分もあります。
産まれてから成猫になるまでの毛の色・毛並み
ポイントブルーは産まれたばかりの頃は真っ白で、時が経つと色がついてきます。色の濃淡、色のつく面積の広さは温度に関連すると言われています。
周りが暖かい環境だと色も薄く、色のつく部分も足先、鼻先等面積が狭まります。寒いところだと色の付き方も濃く、色のつく面積も広くなるそうです。
毛並みはダブルコートと言って、外部刺激(直射日光)から皮膚を守る「オーバーコート」という毛と、密度が濃く保温に優れた「アンダーコート」の二重構造になっています。
もともとロシアに土着していた猫が祖先なので、寒さに強く、暑さに弱い傾向があります。そのため、換毛期はアンダーコートが抜けて、外部気温との調整を行っています。夏の時期はクーラーで調節してあげましょう。
また、ロシアンブルー、ブルーポイント共に毛の質は変わらない短毛種なのですが、アンダーコートの抜け変えもあり、ブラッシングは必須の猫種です。
ブラッシングを嫌がる子もいます。ブルーポイントを含むロシアンブルー種は「嫌なものはずっと嫌」と主張の激しい猫種なので、子猫の頃から習慣づけるか、ブラッシングのアイテムを工夫しましょう。
今はブラシだけでなく、手袋にペットブラシがついたアイテムもあります。ブラシを持って近づくと、ブラッシングされると分かり逃げ出すこともあるでしょう。
手袋一体型のブラシだと撫でてもらえてブラッシングもできる等、猫、飼い主共に一石二鳥になりますよね。
目の色
エメラルドグリーン色の目が特徴のロシアンブルーに対し、ブルーポイントはブルーの目です。両者共に一生涯目の色の変化はありません。
体格
ブルーポイントの大きさは生後12ヶ月以降(成猫)で30~40cm前後、体重は3~5kgと他の猫と比べても平均的な体格です。5kg以上になってくると肥満です。
もともと性格的にはおとなしいですが運動が苦手というわけではなく、良く食べ、良く動きます。またストレスが溜まった時に狂暴になるので、なるべくストレスが溜まらないよう、運動で発散させるようにしましょう。
肥満になると糖尿病になったり、骨・関節・心臓に負担がかかったりして、寿命が縮みかねません。5kg以下を維持できるように餌と運動量を調節しましょう。
寿命
寿命は他の猫種が15年前後のところ、ブルーポイントは平均10~12年とやや短いです。しかし、健康管理をしっかり行い、ストレスが少ない環境を維持できればもっと長生きできるでしょう。
鳴き声
ロシアンブルーとブルーポイントは共に「ボイスレス・キャット」と名がつくくらいほとんど鳴きません。集合住宅でも問題なく飼うことができます。
性格
特徴が分かったところで今度は性格です。
性格
外見的にも風格漂うポイントブルーですが、少し気難しいです。性格は犬に似ていると言われており、自分が「この人こそ自分の主!」と思った人に絶対的信頼を置き、独占しようとします。
家族単位ではなく一個人に信頼があるので、家族の中でもこの人にはべったりしても、あの人には見向きもしないということもあります。
またいくら大好きな主でも、ずっと構われたり、べたべたされたりするのは嫌いです。しかし、構わず放置もストレスが溜まります。もちろん、他の猫や動物と仲良く遊ぶ事も嫌います。
しつけ
頭は良く、トイレ等のしつけはすぐできます。飼い主に対し不満があるときはいたずらをすることもあります。
ストレスによる狂暴化
おとなしい性格でありながら神経質で気難しい部分も持ち合わせているブルーポイントは、ストレスが溜まると以下のように狂暴化することがあります。
- 信頼を置いている人がずっと構ってくれない
- 他の猫、動物を可愛がっている、見知らぬ人がいる
- 大きな音が急になることが多い
- ずっと鳴っている
- 家具の位置を変えた
人間にしてみればちょっとしたことでも、ブルーポイントにとっては一大事です。信頼を置いている人に対しても威嚇、引っ掻き、噛む等、急に狂暴になることもあります。
狂暴化させないよう注意を払うのが一番ですが、何で狂暴化するかわからないので、常に猫の変化を見ていくことが重要です。
もし狂暴化したら、もちろんストレスの原因を探り、対処が必要ですが、引っ掻く、噛むということに叱ってしまうとさらに悪化してしまうので、飼い主がやったと思わせないように、猫が嫌がることをしましょう。
猫は水が嫌いなので、噛んだり引っ掻いたりしたら、猫が噛んだことを忘れないうちに霧吹き等で猫に見つからないように水をかける等が良いと思います。噛むと嫌なことが起きるということを覚えさせましょう。
ブルーポイントを買う方法とは?値段はどれくらい?
ロシアンブルーの販売価格は平均20万円前後です。生後1ヶ月経過するたびに価格は落ち、6ヶ月経過した子は10万円以下まで落ちます。
ではブルーポイントはどの位の価格かと言うと、ロシアンブルーとあまり大差はないですが、血統書がつくロシアンブルーより、数万円低くなることが多いです。しかしその時のブルーポイントの個体数により変わります。
ロシアンブルー同士から産まれたブルーポイントですが、ロシアンブルーのスタンダードから毛色、目の色等が外れているため、血統書がつきません。
時々血統書らしきものをつけると記載されていることもありますが、あくまで親が血統書付きのロシアンブルーであることを証明する書類になります。
血統書がつかないため、ペットショップで出会える確率はほぼありません。ロシアンブルーをよく繁殖させているブリーダーに直接連絡をして、ブルーポイントが欲しいと予約を取っておくのが確実だと思います。
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