マンチカンのかわいそうな歴史、問題点とは?

マンチカンのかわいそうな歴史、問題点とは?

手足が短く大人になっても子どものように小さく可愛らしいマンチカンですが、手足が短い事から遺伝子疾患を懸念した人と健康上問題ないという人と意見が分かれ大論争を巻き起こしました。マンチカンのかわいそうな歴史や問題点について解説します。

マンチカンがかわいそうと言われる理由、歴史を解説!

マンチカンは「猫界のダックスフント」と言われ、手足が短く小柄な見た目が特徴となります。マンチカンの名前の由来は「オズの魔法使い」の小人である「マンチキン」から取られ「小さい子ども・小人」という意味があります。

大人になってもずっと手足が短く小柄見た目が可愛らしく、今ではペットとして飼われ、愛されているマンチカンですが、特徴である手足が短いことから「遺伝子疾患ではないか」と懸念され論争を巻き起こし「かわいそうな猫」と考える人もいました。

そんなマンチカンの歴史やどういったことが問題なのかを解説いたします。

マンチカンの歴史

マンチカンは最初に北アメリカで発見され、マンチカンの歴史が始まりました。他の品種の猫と比べて歴史は浅くかわいそうな歴史がマンチカンにはあるのです。

マンチカンは遺伝子の突然変異により手足が短くなり遺伝子疾患や免疫力の弱さが懸念され「障害のある猫」だと猫の品種として認められず、なかなか世間にも浸透しませんでした。

古くからマンチカンのような手足の短い猫の存在は確認されていましたが「突然変異体」として認識されていました。

1944年にイギリスの獣医であるジョーンズ博士が「手足が短いが健康的な猫だ」と報告しました。しかし突然変異により手足が短いと考えられ、第二次世界大戦以降には姿が見られなくなりました。

1953年頃、ロシアにも同じような手足の短い猫が発見され、1964年にはアメリカ、1970年にはニュージーランドと世界各地で発見されるようになりました。

そして、1983年にアメリカのルイジアナ州で当時音楽教師だったリンダという女性が、ブルドッグに追われてトラックの下に逃げた手足の短い野良猫を保護しました。

その保護された手足の短い猫がきっかけとなり、マンチカンの歴史が始まったと言われています。

リンダという女性は保護した野良猫に「ブラックベリー(Blackberry)」という名前をつけました。ブラックベリーは様々な研究に使われ、遺伝学上の検査結果としては障害はなく至って健康的な猫であることが確かめられました。

やがて、ブラックベリーは通常の手足の長さの猫との交配をし、ブラックベリーは妊娠し子猫が生まれました。すると、ブラックベリーが産んだ子猫の半数以上が同様の手足が短い子猫だったのです。

このブラックベリーから生まれた手足の短い子猫のうち「トゥールーズ」という名前をつけられたオスの子猫がブリーダーに引き取られ、短足猫の繁殖が始まったのです。

近親交配による遺伝子疾患のリスクを減らすために交配相手は短足猫以外の猫が使われ、異種交配が行われました。そして、手足が短い子猫たちを「オズの魔法使い」に登場する小人の名前にちなんで「マンチカン」と名付けられました。

育種されたマンチカンは、1991年にニューヨークで開催されたキャットショーで初めて展示されたのです。

この事により様々な論争を巻き起こす事となりました。手足が短く小さいマンチカンの見た目に愛くるしく魅力を感じる人や、遺伝的な異常がある猫だという考えと意見が分かれました。

「障害もなく健康上問題が無いため、交配を積極的に肯定するべきだ」という意見と「突然変異は遺伝子に問題があり、免疫力が低いのではないか等の様々な問題を懸念し交配を公認するべきでない」という意見との衝突がありました。

この時のキャットショー以降「単なる突然変異だ」と結論付けられてしまいましたが、後にアメリカ各地で短足猫が発見され繁殖が続けられました。

しかし、近親交配のリスクが低下することで、猫の国際的な猫血統登録団体であるTICA(ザ・インターナショナル・キャット・アソリエーション)は1995年にスタンダードを作成しマンチカンを新しい品種と認定しました。

こういった過程があり、マンチカンが公認されるまでに10年以上掛かる事となりました。

しかしながら、TICAはマンチカン自身が突然変異のため、血の濃い純血種の猫との交配による遺伝子疾患の危険性を考え、マンチカンと他の純血種の猫との交配は認めていません。マンチカン同士か、雑種猫との交配のみ認定しています。

TICA主催のキャットショーにマンチカンが出場するには「マンチカンの耳が立っていること」という条件があります。折れ耳のスコティッシュフォールドなどの純血種の猫との交配を認めていないためです。

純血種のスコティッシュフォールドとマンチカンの交配で生まれた折れ耳のマンチカンなどはTICAでは公認されていないため、マンチカンとしての血統猫とは認めてもらうことができません。

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また、遺伝学者や猫愛好家の間でも論理的見解が違い、国際的な猫血統登録団体であるCFA(アメリカ)・GCCF(イギリス)・FIFe(フランス)もマンチカンを猫の品種として公認していません。

マンチカンがなぜ短足なのかは原因がハッキリとされていませんが、最近の研究結果では「自然に発生した遺伝子の染色体突然変異によるもの」だと考えられています。

手足が短いことで障害だとされていましたが、障害ではなく、健康的で体の機能には問題が無いということが明らかにされています。

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今後もマンチカンが新しい品種として公認されるのに時間が掛かりそうですが、マンチカンにはそのようなかわいそうな歴史があります。

短足ながらも活発に元気に動き、愛らしいマンチカンなのに、手足が他の猫の品種と比べ短いことから「かわいそうな猫」「障害のある猫」と言われてしまうのです。

短足、垂れ耳のマンチカンが生まれるメカニズムとは?

なぜ、短足や垂れ耳のマンチカンが生まれるのか、短足や垂れ耳が生まれる確率などを解説いたします。

短足のマンチカンが生まれるメカニズム

マンチカンは手足が短いのが特徴ですが、全てのマンチカンが短足というわけではありません。短足のマンチカンが多いですが、足長のマンチカンも存在します。

足長といっても短足のマンチカンと比べて足が長いだけであって、他のアメリカンショートヘアなどの通常の品種の猫と同じ長さです。

意外にも、短足のマンチカンより足長のマンチカンの方が比率でいうと多くなります。割合でいうと、生まれるマンチカンの20~30%が短足となり、残りは足長のマンチカンとなります。

そのため、短足のマンチカンは希少価値が高く、ペットショップなどで販売される場合も短足のマンチカンは高く売られています。

短足同士のマンチカンを交配させることは遺伝子上タブーなのです。短足のマンチカンと足長の品種の猫と交配させると、短足が生まれる確率は20~30%のためより短足のマンチカンは希少なのです。

また、短足と足長の中間の長さの中足のマンチカンも存在します。

上記でマンチカンの祖先にあたるブラックベリーが産んだ子猫も半数以上が短足でしたが、残りは通常の足の長さの子猫だったので、当時と変わらず現在も必ず短足のマンチカンが生まれるわけではありません。

短足のマンチカンが生まれる理由として原因はハッキリとされていませんが遺伝子の突然変異で「軟骨異形成」によると考えられています。

ちゃんとした交配から生まれたマンチカンであれば、短足でもそれ以外の体の機能は何も問題がないため、他の品種の猫と変わらず健康に生きることができます。

しかし、短足であると「椎間板ヘルニア」にかかる可能性がありますので、注意しなければいけません。

垂れ耳のマンチカンが生まれるメカニズム

垂れ耳が特徴であるスコティッシュフォールドなどの品種の猫は、遺伝疾患で耳の軟骨の奇形があり「骨軟骨異形成」という病気で、耳の軟骨が不完全に発達し垂れ耳となりました。

そのような垂れ耳の品種の猫とマンチカンが交配をした場合、垂れ耳のマンチカンが生まれると考えられています。

短足と同様で全てのマンチカンが垂れ耳ではなく、通常のマンチカンは耳が立っています。

スコティッシュフォールドなどの垂れ耳の品種の猫とマンチカンとの交配はTICAを含めどの団体にも公認されていないため、垂れ耳のマンチカンは雑種となります。

耳垂れのマンチカンでも健康上には問題はなく、他の品種の猫と変わらず健康に生きることができますが、骨軟骨異形成は生涯に渡って進化をし、耳以外の場所に骨軟骨異形成の症状が現れる可能性があります。

成長期である2歳頃までに骨や関節に異常が出る可能性が考えられます。関節に発症するとコブができ関節を上手く曲げられなくなったり、神経を圧迫して痛みを感じるようになります。

鼻に症状が出た場合は鼻血がよく出るようになることがあります。そういった症状がある場合はすぐに動物病院へ受診しましょう。

通常は成長期が終わると病気の進行も停止しますが、生涯に渡って進行する子もいます。四肢や尾、背骨に症状が出ることが多く、痛みが出たりつらい症状になることがありますが、遺伝疾患の問題のため予防することは難しいとされています。

マンチカンがかかりやすい病気とは?

マンチカンの歴史や手足が短い理由をご説明いたしましたが、マンチカンは遺伝子上の問題で短足や耳垂れになっていることから他にも病気をしやすいのではないかと思う人も多くいます。

しかし、マンチカンは健全な交配により生まれているのであれば、生まれつき病気になりやすかったり、寿命が短いわけではありません。

健全な交配により生まれ、整った環境で育てば健康に生きることができます。

手足が短い犬の品種のダックスフントのようなマンチカンが流行り、短足のマンチカンが希少なため、利益を得るために無理な交配をした悪徳ブリーダーもいます。

そのような健全でない交配で生まれたマンチカンであれば、遺伝的な病気や、体が弱いマンチカンになり、病気になりやすいマンチカンが増えたため、病弱なイメージがついてしまいました。

実際に、短足同士のマンチカンから生まれたマンチカンは寿命が短めと言われています。

健全な交配により生まれたマンチカンだからといって病気をしない訳ではありません。一般的な他の品種の猫と同じように考えましょう。品種問わず育つ環境や高齢などが原因で病気になる可能性はあります。

また、手足が短いため腰に負担が掛かりやすく、足を骨折しやすかったり、椎間板ヘルニアという病気にかかりやすいため、注意が必要です。

マンチカンがなりやすい病気や予防についてご説明いたします。

椎間板ヘルニア

マンチカンは手足が短いのが特徴で、手足が短い姿が可愛らしく人気がありますが、その足の短さのせいで腰への負担が掛かってしまいます。

腰に負担が掛かることにより「椎間板ヘルニア」になりやすいと考えられています。椎間板ヘルニアとは、背骨の間にあるクッションのような役割を持つ「椎間板」が変形してしまい、神経や髄液を圧迫する病気です。

肥満、老化、高い所からの落下などが原因で発症してしまうことが多く、老化の場合は予防できませんが、高い所からの落下や肥満は予防することができます。

手足が短いため身体を支えるのに負担がかかってしまうため、肥満にならないように運動や食事に気を付けてあげましょう。

高い所から着地した時の衝撃を抑えるために、フローリングでなくクッション性のあるカーペットなどを敷くなどして予防しましょう。

急に身体を動かさなくなったりいつもと動きが違ったり、痛がっているようであれば、椎間板ヘルニアの可能性がありますので、動物病院へ受診しましょう。

獣医に椎間板ヘルニアと診断をされた場合は、しっかりと椎間板ヘルニアの治療をしてあげましょう。軽度の椎間板ヘルニアの場合は薬の投与で治療をすることができます。重度の椎間板ヘルニアの場合は手術による治療となります。

椎間板ヘルニアの手術はヘルニア部分の切除や周辺の神経を圧迫している部分を切除する外科手術となります。

その他にも、レーザーなどの治療もあり、椎間板ヘルニアの病気の度合いによって治療が異なります。

外耳炎

垂れ耳の品種の猫との交配で生まれたマンチカンには耳垂れや折れ耳が多く、耳垂れや折れ耳の猫は外耳炎になりやすいと言われています。

外耳炎は様々な原因でなり、外耳炎にかからないように日頃から予防をすることが可能です。

主にマンチカンの外耳炎の原因は、耳掃除不足や、ダニ・アレルギーが多くあります。

他にも、耳に異物が混入したり、菌などの感染症が考えられます。

耳の中が汚れていると外耳炎になりやすく、垂れ耳・折れ耳は湿気がこもりやすく耳掃除がしにくいため、特にこまめに耳掃除をする必要があります。

外耳炎の治療は原因により治療法が異なります。ダニが原因の場合は耳の中を綺麗に洗浄し、ダニを殺す薬を投与する治療を行います。アレルギーが原因の場合は原因となるアレルギー物質を除去する治療になります。

菌などの感染による外耳炎の場合は原因菌を検査し殺菌する薬を投与する治療となります。耳に異物が混入し外耳炎になった場合は、簡単に取り除けることができる耳垢や被毛などの汚れは除去する治療となります。

簡単に取り除くことができない腫瘍や異物は手術により取り除く治療となります。

耳掃除不足の場合は耳掃除をして清潔に保つようにします。垂れ耳や折れ耳のマンチカンの場合は耳掃除がしにくいので、正しい耳掃除の仕方を獣医に指導を受けることをおすすめします。

耳掃除のやり過ぎや、無理にしてしまうと耳を傷をつけてしまう恐れもありますので、正しい耳のケアをしましょう。

変形性関節症

マンチカンが短足である原因はハッキリとしていませんが、「骨軟骨形成異常」という遺伝疾患が考えられており、骨軟骨形成異常は変形性関節症の悪化をする可能性があるとも言われています。

変形性関節症は関節に炎症が起きる病気です。変形性関節症は「骨関節炎」とも言います。これらは原因や治療は解明されておらず、遺伝疾患なので予防はできませんが、親猫がこの病気を持っているかどうかは確認することが大切です。

毛球症

マンチカンはその子によって毛の長さが異なります。主に毛の長さが短い「短毛種」と毛の長さが長い「長毛種」のマンチカンがいますが、特に長毛種のマンチカンが毛球症に掛かりやすく、お腹の中に飲み込んだ毛が溜まることで毛球症という病気が発症します。

短毛種のマンチカンでも抜け毛が多く、過度なグルーミングをする場合は毛球症になってしまいます。

飲み込んだ毛が胃や腸に詰まってしまい、酷くなってしまうと腸閉塞という病気になる可能性があります。

腸閉塞は命に関わってしまう病気となりますので、便秘や嘔吐などの症状がある場合は、動物病院へ受診しましょう。

軽度の毛球症であれば「毛球除去剤」という薬を投与し、飲み込んだ毛を自然に排出するように促す治療となります。毛球除去剤で排出できない場合は、手術による治療を行います。

手術による治療は、胃の中に毛が詰まっている場合は内視鏡や胃切開手術となります。腸に毛が詰まっている場合は開腹切開手術となります。

身体のどの部分に毛が詰まっているかどうかで手術の方法が異なるため、レントゲンや超音波検査で毛が詰まっている場所を特定します。

マンチカンに限らず、猫は毛繕いをして身体を綺麗にしたり、猫同士グルーミングをして愛情表現をします。そのような普段の生活で毛を飲み込んでしまうので、日頃からブラッシングをするなどして抜け毛を減らすように予防をしてあげましょう。

マンチカンの抜け毛は危険?手入れの方法とは?

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2019年1月8日

また、毛玉の排出を促すような食物繊維入りのキャットフードやおやつを与えること事により普段から毛玉のケアができます。猫草なども毛玉のケアになるのでおすすめです。おやつ感覚であげると猫も喜びますし、毛球症の対策にもなります。

漏斗胸(ろうときょう)

漏斗胸とは生まれつき肋骨の一部がへこんでしまったり、変形してしまう病気で、予防をすることはできません。

漏斗胸が軽度の場合は特に治療をすることなく通常の生活を送ることができます。しかし、重度の漏斗胸の場合は命に関わる可能性があります。

へこんだり変形した肋骨が心臓や肺、気管などの臓器を圧迫してしまい心機能が低下し、呼吸困難などの症状を起こす恐れがありますので、 生後3ヶ月までの子猫の場合は予防をすることができる可能性があります。

生後3ヶ月頃までの子猫の骨はとても柔らかく、変形を予防するために、肋骨を糸や針金で引っ張りギブスで固定する処置が可能です。しかし、生後3ヶ月を過ぎた猫の場合は骨が固まっているためそういった処置が出来なくなるため、これからマンチカンを飼う予定や生後3ヶ月までのマンチカンを飼っている場合は一度検討し、動物病院へ相談をすることをおすすめします。

マンチカン独特のなりやすい病気を理解して、予防できることはしっかり予防をしてあげましょう。

マンチカンがかかるかもしれない病気とその原因・予防方法とは?

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2018年12月28日

マンチカンの問題は解決される?

マンチカンの歴史や短足や垂れ耳が生まれるメカニズムについて解説いたしましたが、現在でもハッキリとした原因が解明されておらず、全体の20%~30%は短足や垂れ耳のマンチカンが生まれるのです。

他の品種の猫とは違う、短足や垂れ耳のマンチカンの見た目に魅了され、一般的にも馴染みのあるペットとして飼われようになりましたが、歴史が浅く、遺伝子疾患による短足・垂れ耳であるから健康面や繁殖に懸念し、品種として公認を見送る団体が多いのが実状です。

実際に短足や耳垂れは軟骨異形成という遺伝疾患で、生涯に渡り身体の他の箇所に発症するなどの危険性もあります。

短足や耳垂れが故にかかりやすい病気もあるので、予防をできることは予防をしてあげて、健全な交配をすることしか対策がありません。

今後もマンチカンの品種としての公認は様々な立場からの見解があり、問題が解決するには時間が掛かりそうですが、マンチカンの歴史やリスクを理解した上で予防できることは予防して、マンチカンが健康に生きていけるように飼育してあげてくださいね。


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