大きな体にフサフサの飾り毛が特徴的なメインクーン。一見怖そうにも見えるメインクーンですが、その見た目からは想像できないほどかわいい鳴き声の持ち主なのです。ここではそんなギャップを持つメインクーンの性格や鳴き声についてご紹介します。
メインクーンについて
メインクーンは家猫の中でもっとも大きな品種の一つです。ガッチリした体格と立派な飾り毛から「ジェントル・ジャイアント(穏やかな巨人)」という愛称を持ちます。
ヤマネコのように大きな体をしながらも、いつまでも仔猫のような仕草を見せるギャップが人気の理由です。
メインクーンの原産国とルーツ
アメリカ ニューイングランド地方メイン州が原産とされており、北アメリカではもっとも古い猫種です。
冬の寒さが厳しい環境で生き抜いてきたため、長さが2層に別れたフワフワの被毛や肉球と肉球のあいだに生える長い毛が特徴として残っています。
ルーツは諸説ありますが、一番有名なのはメインクーンの大きさや被毛の特徴からアライグマとの交雑という説です。「メイン州のアライグマ(raccoon)」という意味でメインクーンと名付けられたとも言われています。
メインクーンの性格
野生的な風貌をしたメインクーンは一体どんな性格をしているのでしょうか。ここでは詳しく解説していきます。
甘えん坊
その大きな体と凛々しい顔つきとは裏腹に、お茶目で甘えん坊な性格をしています。人にも懐きやすく、家の中では飼い主さんの後をついてまわることもありますが、飼い主さんの手を止めさせてまで構ってもらおうとはしないという我慢強さも兼ね備えています。
また、オスとメスでは性格の違いがあるとされており、オスの方が甘えん坊で飼い主の側を離れないという傾向があります。メスはおとなしく感情表現が控えめで、クールな印象です。
学習能力が高く賢い
メインクーンは他の猫種に比べて学習能力が高く賢いという特徴を持ちます。猫のしつけは難しいと言われますが、人間の言葉を理解する能力が高いのでトレーニングがしやすいと言われています。
元々はワーキングキャットとしてネズミ狩りをしてきた品種なので、犬のように「取ってこいゲーム」を教えることも出来ます。
大人の猫になると、その学習能力の高さから様々なことに興味を持ち始めます。人間の行動をよく観察していて、蛇口をひねったり簡単にドアや窓を開けてしまうこともあるので、思わぬ事故に繋がらないよう注意が必要です。
好奇心旺盛で社交的
人に対してだけでなく、犬や他の動物に対しても好奇心旺盛です。初対面でも人見知りをせずに興味を示すので、犬や猫との多頭飼育にも向いています。
高い好奇心からイタズラが大好きなメインクーンもいます。ダメなことはしっかりと教えましょう。賢いのでダメだと教えたことはちゃんと理解してくれます。
愛情深い
穏やかな巨人と言われるだけあり、温厚で愛情深い性格をしています。人間の子どもの面倒をみるのも得意で、遊び相手をしてあげたり、泣いているとそばに行って慰めてあげたりするメインクーンもいるそうです。
人からベタベタとしたスキンシップや愛情表現をされることは苦手ですが、常に飼い主のそばにいて同じ空間を共有することを好みます。
メインクーンの大きさ
猫は通常約1年半で成猫に成長しますが、メインクーンは大きいので成猫の身体つきになるまで3~4年を要します。
体長は鼻先から尾端まで約1mにもなります。平均体重は成猫のオスで6~9kg、メスで3~5kgが目安です。猫としては大きいという理由からペットホテルなどで断られてしまうこともあるので、飼う前に預け先を確認しておきましょう。
体を覆う被毛がフサフサで体型は目視で確認することができません。うっかり痩せてしまっていた、太ってしまっていた、ということが起こりやすいので、日頃からスキンシップも兼ねたボディチェックをお勧めします。
メインクーンのお手入れ
立派な被毛が自慢のメインクーンは、日々のブラシングが欠かせません。「猫っ毛」と言われるように、細くて柔らかい毛は絡まって毛玉になりやすいので注意が必要です。朝と晩の2回ブラッシングをすることで毛玉を予防できます。毛玉は皮膚病の原因にもなるので小まめなお手入れを心がけましょう。
メインクーンの鳴き声ってどんな声?
メインクーンの鳴き声は特徴的で「ニャーンという鳴き声」と「喉を鳴らす際のクルル」が合わさった不思議な声を出します。
イントネーションは上昇調で質問をしているように聞こえることから、メインクーンはおしゃべり上手とも言われています。飼い主さんとの会話が成立することもあるのだとか。ささやくようなかわいい声と見た目のクールさに、心を奪われる人は少なくありません。
中には「ルゥーン」や「キューン」と鳴くメインクーンもいますが、高くてささやくように鳴く姿は共通しています。
メインクーンのかわいい鳴き声
控えめに「クルルル〜」と鳴くその声はとても新鮮で愛らしく、SNSや動画投稿サイトでも多くの動画が投稿されています。
【動画】https://youtu.be/bwjt82NukSs
【動画】https://youtu.be/VHCLWpxycL8
【動画】https://youtu.be/2M3IaxVa8Nc
鳴き声からわかる猫の気持ち
猫は鳴き声を細かく使い分けて気持ちを伝えています。よく聞く種類はそんなに多くはないので、覚えておくと猫の気持ちを汲み取ることができるのでお勧めです。
ニャーン・ミャーオ
甘えているとき、ごはんが欲しいときなどにこの鳴き方をします。「撫でて欲しい!」「遊んで欲しい!」など、可愛らしいおねだりの方法です。
ゴロゴロ・クルル
喉を鳴らす音です。リラックスして気持ちが良いときに鳴らします。この「ゴロゴロ」という音は人間にとってもリラックス効果があり、自律神経やホルモンバランスを整えてくれます。
ニャニャッ・ウニャウニャ
上機嫌なときの鳴き方で「おいしい!」「しあわせ!」という感情を表しています。待ちわびていたごはんが出てきた時や、食べながら思わず喜びが漏れてしまった時に出る声です。
仔猫がごはんを一生懸命食べているときに出るこの声は、まるで「うまい!うまい!うまい!」と言っているように聞こえます。
サイレントニャー(口は開けるが声が出ていない)
不思議なこの鳴き方は、人間には聞こえない高周波で鳴いていると言われています。仔猫が母猫に思いきり甘えている時にする鳴き方なので、飼い猫がサイレントニャーをした時はたくさん甘えさせてあげましょう。
ニャーーーーン
長く伸ばす鳴き方をする時は、飼い主さんに何かを訴えている可能性があります。ごはんの催促やドアを開けて欲しいなど、要求をしている鳴き方です。
ウー / ンー(口を閉じたまま低く唸る)
威嚇や警告のサインです。猫が近づかれたくないときにうっかり近づいて行くとこの声を出すことがあります。それ以上近づかずに静かに離れれば、猫を完全に怒らせることはありません。
メインクーンの鳴き声って大きいの?
メインクーンは鳴き声の小さい子が多いことから、集合住宅での飼育にも向いている猫種と言えます。
しかし普段の鳴き声が小さくても、発情期ともなれば話は別です。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、発情期中の猫は早朝も深夜も関係なく相手を求めて鳴き続けます。
以下では猫の発情期と対策について解説します。
猫の発情期と対策
猫は年に2~3回の発情期があり一度発情期が始まると約10日間続きますが、室内飼いの猫はもう少し長くなる傾向があります。
発情期の際に大きな声で鳴き続けるのはメスで、オスは近くに発情期中のメスがいなければ発情することはありません。
猫は交尾の刺激で排卵する動物なので、綿棒を膣に入れて人工的に排卵させる「擬似交尾」という方法もあります。しかしこの方法は膣を傷つける恐れがあるため、むやみに行うのは危険です。
対策としては、去勢手術・避妊手術を受けるのが獣医師もお勧めする一番効果的な方法です。
メス猫は生後6~12ヶ月で最初の発情期を迎えます。2度発情期を経験した後の避妊手術では効果が薄くなると言われているので、仔猫から飼う際は早めに避妊手術をしたほうが良いでしょう。
また、卵巣を取ってしまうことで乳がんや子宮蓄膿症など病気の発生率を下げることが出来ます。
メインクーンってよく鳴くの?
メインクーンはあまり泣かない猫として有名です。中には全然鳴き声を聞かないので、飼い主さんを心配させてしまう子もいます。
性格によっては元気いっぱいでよく鳴くメインクーンもいますが、いつもと少し違う様子で鳴き続けるようであれば原因を探ってみてください。
猫が頻繁に鳴くときの理由
ストレスレベルが高くなると、頻繁に鳴くことで飼い主さんに訴えるようになります。原因があることに気付かないまま「うちの猫は無駄鳴きが多い!」となってしまわないよう、心当たりがあれば改善しましょう。
不満があるとき
室内で飼育されている猫は運動不足が原因でストレスを感じるとよく鳴くようになります。
1匹でのお留守番が長い場合は、遊べるおもちゃやキャットタワーを用意してあげると良いです。猫は犬と違い、狭いスペースでも上下運動が出来る場所があれば運動することが出来ます。
メインクーンは甘えん坊で遊びが大好きです。単独行動をするよりも、飼い主との時間をとても大切にする猫種なので、時間が許す限りたっぷりと遊んであげて心身ともに健康な状態を保ちましょう。
寂しい・不安を感じるとき
飼い主さんが出かける支度をしているときや、病院に連れていく際のケージの中で鳴き続けることがあります。
要求しているとき
ごはんが欲しくて我慢できないときなど、甘えを通り越して要求となっています。うるさいからと、その都度要求に応えていると、鳴き声がエスカレートする可能性があります。
体調不良
体調不良が原因で鳴き続けていることも考えられます。普段の様子、ごはんの食べ方、排泄で変わったことはなかったか思い出し、合わせて触診で傷や痛がる箇所がないかを確認してみましょう。
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