アメリカンショートヘアの子猫の里親になる方法、注意点とは?

アメリカンショートヘアの子猫の里親になる方法、注意点とは?

根強い人気を誇るアメリカンショートヘアの子猫を家族に迎えたいと希望している人は多いでしょう。しかし、ペットショップから動物を購入することに抵抗がある人や、ブリーダーは敷居が高いという人のために、里親になる方法や注意点等をご紹介します。

アメリカンショートヘアの特徴は?

気になる猫種を家族に迎え入れたい場合、猫の背景にある歴史を勉強しておきましょう。長年培ってきた性質は愛玩動物として飼育されている現在も残っているため、一緒に暮らす上でとても参考になります。

アメリカンショートヘアの歴史

アメリカンショートヘアの祖先はイギリス原産のブリテッシュショートヘアであり、イギリス人の移民と共に船でアメリカへ渡り、現在のアメリカンショートヘアとなりました。

当時のアメリカンショートヘアは渡米中の船内で害獣や害虫の駆除をするために同船し、アメリカで生活することになってからも農作物を食い荒らすネズミ等の害獣を捕まえていたため、長年重宝されていました。

アメリカの広い大地を自由に駆け回り、人間から信頼を受けたアメリカンショートヘアは有能なハンターでありながら、大らかな性格になりました。

アメリカンショートヘアの外見的特徴は?

アメリカンショートヘアという品種名は1966年に正式に決定しました。それ以降、人気は衰えることを知らず、現在も安定した人気を誇っています。

体型はセミコビータイプ

それほど人気があるアメリカンショートヘアは、セミコビータイプと呼ばれる胴、脚、尾が長い体が特徴です。またハンターとして活躍していたので骨格がしっかりしており、逞しいです。

その一方で頭や目が丸く首も太いので、愛嬌のある親しみやすい体付きをしています。体重は男の子で4~7㎏、女の子は3~6㎏あり、中型種に相当するので、一般家庭でも飼育しやすい体格です。

被毛のカラーが豊富な短毛種

被毛は短毛で密集しており硬めの毛質が特徴です。また換毛期が春と秋にあるので、比較的寒さに強く、ブラッシングは1週間に1~2回ほど行えば十分です。

毛色も豊富で、雑誌やテレビで頻繁に登場するシルバーとブラックのマーブル模様の「シルバークラッシックビター」を始め、「ブラック」「クリーム」「ソリットカラー」等があり、このカラーも人気を集める一因です。

アメリカンショートヘアの性格とは?

アメリカンショートヘアの性格はとても明るく陽気です。温厚な性格で、人と遊ぶことが大好きな性質のため人と暮らすことに適した猫です。

また人間だけでなく他の動物とも仲良くなれる性格のため、犬と同居することも可能です。さらに、社交性があるので多頭飼いにも向いています。

しかし、自立心が強い一面もあるため、抱っこされることが嫌いな性格の子も多いので、各個体の性格をしっかり見極めてあげましょう。

アメリカンショートヘアの子猫の里親になる良い点は?注意点は?

アメリカンショートヘアの子猫は約10万円で販売されていますが、低額で3万円、高額で30万円以上もする子もいます。しかし、動物に値段が付いていることに抵抗がある人もいるでしょう。

そのような人は、里親を募集している個人や団体からアメリカンショートヘアの子猫を引き取ることをおすすめします。

里親であれば、品物のように生体代金が発生しない上、様々な事情で里子に出された猫の命を救えます。また子猫であればしつけも十分に間に合い、母猫のいない子猫の悲しみを飼い主が緩和することもできます。

但し、アメリカンショートヘアという品種に特定して里親になることを希望している場合は良い点ばかりではありません。子猫を引き取る前に注意すべき点が2つあるのでご紹介します。

注意点1.里子の場合、血統は不確か

里子に出されたアメリカンショートヘアの子猫には血統書がありません。

稀に、飼育困難によりペットショップで購入した子猫を里子に出している人がいます。その場合は血統書を渡されることもありますが大変珍しいケースであり、滅多に出会えることはありません。

そのため「繁殖を検討している」「猫の血統を確認したい」と考えている人は里子を貰うより、ペットショップやブリーダーからアメリカンショートヘアを購入した方が確実です。

注意点2.特定の品種の里親になるのは順番待ちをしているケースがある

「アメリカンショートヘアの子猫の里親になりたい」と考えている人は多く、雑種の猫に比べると里親になるための倍率が高いです。

アメリカンショートヘアの子猫は人気猫種ということもあり、タイミングが合わなければ出会うことすら難しいでしょう。

実際にアメリカンショートヘアの里親になった飼い主さんから話を伺ったところ、現在飼育しているアメリカンショートヘアを引き取る際、里親希望者が複数名いたとのことでした。

その里親希望者たちをボランティア団体が面接や自宅訪問等を行い、里子である猫にとって最も適切と判断したご家庭に引き取られることとなったそうです。

ちなみに、筆者が飼育している猫も里子でしたが雑種の上、個人でやり取りをしたため、前述の様なプロセスはありませんでした。

人気のある品種やカラーの猫ほど頭数が少ない上、引き取るための条件が厳しくなるため、入手が難しくなるので心しておかなければなりません。

アメリカンショートヘアの子猫の里親になる方法は?

アメリカンショートヘアの子猫の里親になる方法は、いくつか手段があるのでご紹介します。

1.保健所

「子猫の里親になりたい」と思ったら、まずは住んでいる自治体の保健所に連絡してみましょう。保健所には様々な事情を抱えた猫や犬が収容されています。一匹でも多くの命を救えるチャンスに繋がります。

2.ボランティア団体

保健所は全ての猫や犬の命にカウントダウンが設けられています。その中から一匹を選ぶことに重圧を感じて選べない人もいるでしょう。

その場合は、保護猫の譲渡会をしているボランティア団体に問い合わせることをおすすめします。

最近ではインスタグラムやツイッター等のSNSで情報を公開しているボランティア団体も多く、ネットが広く使われる前より譲渡会へ参加しやすくなっています。

3.里子募集を公開する

新聞やタウン誌、動物病院等で里子の募集要項を掲載したり、アメリカンショートヘアや猫を飼っている知人に声を掛けたりして、里子を募集している旨を積極的に公開するのも一つの手段です。

但し、募集の期間を定めなければ里子を迎え入れた後も問い合せが来る場合があるので、注意しましょう。

4.インターネットによる譲渡

インターネットにより里親募集をしている個人の飼い主がいます。但し、この場合は必ず相手の素性を確認しましょう。

ちなみに、筆者は広告掲示板の里親募集のページを見て、雑種の猫の里親になったことがあります。

全て個人で募集内容等を掲載しているので、説明が不十分な募集や予防注射や不妊手術の際に発生した費用に伴う金銭の授受に関する事項を掲載している人もいました。

筆者の場合は、家庭の様子が伺える写真を掲載し、こまめに連絡をくれた5人家族のお宅から雑種の子猫を引き取りました。

また子猫を引き取る際は、そのご家族のご自宅から少し離れたチェーン展開しているカフェで知人に同席してもらい、行いました。

子猫を引き取ってから1ヶ月程度は、そのご家族と連絡を取り続けていましたが、その後、猫が成長するに連れて徐々に連絡を取る回数は減りました。

筆者の経験から、子猫がご飯を食べなかったり、安心して眠れなかったりする場合に備えて、連絡先はしっかり把握しておくことが大切と判断します。

アメリカンショートヘアの子猫の里親になるときの心構えは?

里親になるためには、アメリカンショートヘアの子猫に限らず、猫が安心して暮らせる生活環境を整えましょう。

動物を飼育していない家庭は、人間が住みやすい環境が整えられていますが、猫にとっては不十分な箇所が多々あります。

そこで、アメリカショートヘアの子猫の里親になる時の心構えについてご紹介します。

心構え1.子猫が運動できる場所を確保する

元々ハンターだったアメリカンショートヘアには走り回る空間が必要です。

そのため、子猫を主に生活させる空間にはフィギュアやオブジェ等の余計な物は置かず、輪ゴムや爪楊枝等、誤飲の危険性がある物は猫が手を出せない場所に片付けましょう。

そして部屋には猫が運動するためのキャットタワーを設置することをおすすめします。良い運動になるだけでなく、木登りは猫の本能を満足させるので、ストレス解消にもなります。

心構え2.子猫が寛げる場所を用意する

アメリカンショートヘアに限らず、子猫は休息を取ることも仕事の一つです。

子猫が遊べる空間を用意できたら、子猫がくつろげるベッドも用意しましょう。夜寝る時や遊び疲れた時に休憩できる場所を設けることで、猫が一匹で過ごせる時間を確保できます。

また猫がくつろげる場所には、動物病院などに連れて行く際に必要なキャリーケースを自由に出入りができるように置きましょう。

動物病院へ行く時だけキャリーケースを持ち出すと、猫はキャリーケースに悪い印象を持ってしまいます。普段からキャリーケースに慣れさせておき、くつろげる場所であることを教えてあげることが大切です。
 

心構え3.トイレは落ち着ける場所に設置する

トイレは落ち着いて用が出来る位置に設置します。砂の種類やトイレの形は様々な種類がありますが、子猫のうちは砂が掻きやすい「軽くて小さな紙製」と「細かい砂タイプ」がおすすめです。

子猫の時期はケージ内にトイレを設置し、トイレの場所や仕方等を教える必要があります。しかし成猫になると便から強烈な臭いがするため、筆者としては廊下や人があまり出入りしない部屋等に設置することをおすすめします。

ちなみに、子猫は砂をおもちゃにしてしまう場合があります。前足でじゃらす程度であれば問題ありませんが、口に入れてしまうこともあるので、トイレ砂の中に顔を入れている様子が見られる場合は止めさせましょう。

心構え4.コミュニケーションを取るためおもちゃを所有する

子猫を飼う際は「子猫用のフード」「食器類」「ブラシ」「爪切り」「爪とぎ」等のグッズも用意しておきましょう。子猫は遊ぶことが大好きなので、コミュニケーションをとるためにもおもちゃは有効です。

里子の子猫は辛い思いを経験しているケースもあるので、最初は出来るだけ子猫が喜ぶ事柄や物を使って遊び、癒してあげましょう。

心構え5.子猫は寒がりであることを理解する

猫はとても寒さに弱い動物であり、その子供である子猫はより寒がりです。小さな子猫が凍えると命取りになるので、特に寒さが厳しくなる1~2月に掛けての冬場はベッドにヒーターや湯たんぽを入れる等、暖かくして下さい。

但し、子猫は成猫に比べてあまり賢くないので、暖房によって暖まり過ぎた時に備えて、涼める場所を一緒に用意しておきましょう。

心構え6.粗相をしても慌てない

子猫が床の匂いを嗅ぎながら何かを探しているような行動や素振りをしたら、トイレに連れて行きましょう。子猫は一度トイレを覚えれば、粗相をすることは殆どありません。

もし粗相をしても大声で叱ってはいけません。粗相をしたらその場所をキレイに掃除し、臭いのついた物をトイレに入れて置けば、徐々にトイレの場所を覚えられます。

子猫を譲渡された時と問題行動への対応とは?

念願のアメリカンショートヘアの子猫があなたの家にやって来たと仮定します。その時の対応はただ1つ、「そっと見守る事」です。

積極的にコミュニケーションは取らず、子猫のペースに合わせて新居に慣れさせて下さい。新居でも物怖じしないで直ぐに馴染める子は滅多におらず、5時間以上ボイラーやベッドの下に引きこもって動けない子猫は大勢います。

子猫は新しい環境に慣れ始めたら、自分から部屋の中を自由に探検し始めます。その際、無理に抱っこしようとせず見守りましょう。里親さんが優しく見守ることで、自然に人間にも慣れていきます。

譲渡および譲渡後に掛かる費用とは?

里親になる場合、子猫は無料で譲渡されます。

しかし、里子の中にはワクチン接種をしていない子猫もいます。ワクチンは命取りになる病気から子猫を守ることができるため、摂取をおすすめします。

初めてのワクチンは1ヶ月おきに2回行い、費用は約1万円となります。もちろん、予防したい病気の種類や数、動物病院によってワクチンの値段は異なります。

また子猫の場合、事前に去勢・避妊手術は施されていません。生後6か月未満の子猫を引き取った場合、2回目のワクチンを摂取した時または、生後6ヶ月を過ぎた頃に獣医師に相談して下さい。

去勢や避妊をしていない猫は、マーキングや鳴き続ける等の問題行動を起こすため、手術を検討する価値はあります。

ちなみに筆者は、保護した2匹の子猫を生後6ヶ月の時に去勢手術と避妊手術を受けさせました。費用は去勢手術が約1万円、避妊手術は約2万円でした。

術後、男の子は翌日には元気になりましたが、女の子は切開手術のため一週間程、元気がありませんでした。

また術後は、傷口を舐めないようにネットを着せ、縫い糸が噛み切れないようにワイヤーで縫合されていたためか、飼い猫は落ち込んでいました。しかし1週間後には問題なく抜糸をし、現在も元気に過ごしています。

出来るだけ子猫の育った環境を知っておきましょう

里子の子猫の背景には、様々な環境があります。理想的な子猫は、良心的なブリーダーの元で十分に母猫と人間の愛情をもらい、兄弟と過ごすことで充実した社会化期を過ごした子猫です。

愛情と安心感を知っている子猫は、アメリカンショートヘアの本来の気質である明るく陽気な性格に成長します。

しかし、里子に出されている子猫はその様な幸せな環境にいた子ばかりではありません。飼い主となった里親さんは、たくさん愛情を掛けて子猫を癒してあげてください。

問題行動を起こす子猫の環境とは?

筆者は生後2ヵ月頃のアメリカンショートヘアの子猫が道端で彷徨っていた話をその里親さんから伺ったことがあります。その子猫は、不安により夜になると鳴き続け、食に関してとても貪欲とのことでした。

早くに母猫から離され、ペットショップのケースの中で育った子猫は十分な社会性を身に付けていないため、度々問題行動を起こす傾向があります。その結果、衝動買いをした飼い主では手に負えず、手放すケースもあります。

日本で生活する野良猫のアメリカンショートヘアは、全て人間に捨てられた子です。里子に限らず、アメリカンショートヘアを取り巻く環境について知っておくことで、問題行動に対する改善が図れます。

子猫の里親になる際に、注意する点は?

運良く、里子に出されたアメリカンショートヘアの子猫に出会えたとしても、知識を持たないままその子の里親になってはいけません。

アメリカンショートヘアの子猫に限らず、自治体や譲渡会で猫と出会った場合は「子猫が発見された時の状態や状況」「保護されている時の様子」等をスタッフに聞いて下さい。

その猫のことをきちんと説明できるスタッフがいる場合、万が一、問題行動を起こしても解決策を講じることができます。

また、里親を募集している個人から子猫を譲り受けた場合、少なくとも新しい家に馴れるまでは連絡を取りましょう。その子の特徴や性格を理解している元飼い主さんの意見は参考になります。

アメリカンショートヘアは、長年ワーキングキャットとしてネズミを捕っていた働き者の猫です。その習性と子猫の置かれた立場を理解した上で里親になりましょう。

また、家族になってから問題行動を起こしたからとはいえ、簡単に手放してはいけません。根気よく見守り、里親の愛情と安心できる環境を子猫に与えれば、本来の明るいアメリカンショートヘアになれることでしょう。

アメリカンショートヘアの子猫の里親になる方法、注意点とは?